こんにちは、行政書士事務所の開業準備を進めているまえかわです!

前回は、お酒の免許をもらうための「人の経歴」や「お財布事情」についてお話ししました。「自分は税金の滞納もないし、経営状態もバッチリだ!」と安心された方も多いかもしれません。

しかし、次に待ち受けるのは、目に見える高い壁「場所的要件」です。 実は、お酒を売る場所(店舗や事務所)には、想像以上に細かいルールがあります。今回は、物件選びで絶対に失敗しないためのチェックポイントを、よくある疑問と共にお届けします!

1. 飲食店との「明確な区別」ができていますか?

「飲食店でお酒を出しながら、店頭でボトル販売もしたい」というケースです。ここで大きな落とし穴があります。

  • 飲食店営業: その場でコップに注いで飲ませる(開栓)
  • 酒類小売業: 持ち帰り用にボトルを売る(未開栓)

この2つは法律上の役割が全く違うため、同じスペースで行うことが原則認められません。レジを分けるのはもちろん、「お酒を売る棚」と「客が飲むテーブル」が構造的に仕切られているかが厳しくチェックされます。

2. 自宅を事務所にする際の「生活動線」

固定費を抑えるために「まずは自宅の一室でネット通販から始めよう」と考える方も多いでしょう。もちろん可能ですが、ここでも「独立性」が問われます。

税務署がチェックするのは、「家族の生活スペースを通らずに、お酒の在庫にアクセスできるか」という点です。例えば、寝室を通らないと在庫部屋に行けないような配置はNG。玄関から事務所(在庫置き場)までのルートが明確に区分けされている必要があります。

【Q&A】広さは「何畳以上」必要?鍵はかけるべき?

  • 広さの決まり: 実は「〇畳以上」という具体的な数値基準はありません。極端に狭くても、事務机と在庫棚が置け、作業に支障がなければOKです。
  • 鍵の必要性: 法律で必須とされているわけではありません。ただし、家族や飲食店のお客さんが誤って触れるリスクがある場合は、管理の適切さを証明するために「鍵付き」にすることが有効な対策になります。

3. 「アパート・マンション」特有のハードル

賃貸物件やマンションの一室を「販売場」にする場合、最も注意すべきは「使用承諾書」です。

  • 大家さんの許可: 賃貸の場合、大家さんや管理会社から「ここでお酒の販売業をすること」の承諾を得る必要があります。
  • 管理規約の確認: 分譲マンションなどは規約で「居住専用」となっている場合が多く、たとえネット通販でも営業活動が認められないケースがあるため、事前の確認が不可欠です。

4. 審査は「図面」だけ?それとも「現地調査」がある?

以前の記事でも触れた「古物商」などの申請では実地調査は稀ですが、お酒の免許はどうでしょうか。

  • 書類と写真がメイン: 現在は、詳細な図面に加えて、現地の写真を「これでもか!」というほど(外観、入り口、全方位の内装など)提出して審査を受けるのが一般的です。
  • 現地調査が来るケース: 飲食店と併設する場合や、写真だけでは「独立性」が確認できない場合などは、税務署の担当官が実際にメジャーを持って測りに来ることもあります。

5. そもそも、どこに申請すればいいの?

意外と知られていないのが、申請先です。 お酒の免許は、「販売場の所在地を管轄する税務署」に申請します。法人の場合でも、本社ではなく「実際にお酒を売る場所」の税務署が窓口になります。

静岡県西部エリアであれば、主に浜松西税務署などに配置されている「酒類指導官」という専門の担当官が審査を行います。申請前には、この指導官への事前相談が欠かせません。

結論:物件を借りる前に「事前相談」を!

お酒の免許において、場所の失敗は「即、事業の失敗」に直結します。 内装工事を始めてから、あるいは賃貸契約のハンコを押してから「ダメでした」では遅すぎるのです。

「この間取りで許可は通る?」「大家さんにはどう説明すればいい?」 そんな不安を感じたら、ぜひ契約の前に専門家へご相談ください。税務署との細かな調整や図面の作成など、地元の行政書士としてスムーズな取得を全力でサポートいたします!

【次回予告】第4回:難関!「仕入れ先」と「販売計画」を固める 場所が決まれば、次は「何を、どこから仕入れて、どう売るか」です。実は、お酒の免許申請には「仕入れ先からの承諾書」が必要なのをご存知ですか? 次回は、申請書類の中で最も知恵を絞る「事業計画」の立て方について解説します。お楽しみに!

「開業準備中(令和8年4月開業予定)行政書士前川翔平事務所」