医療法人を設立し、日々の診療が軌道に乗ってくると、次に意識しなければならないのが「毎年の決算」です。
「個人の確定申告とは何が違うの?」
「なぜ毎年、保健所に報告が必要なの?」
そんな疑問をお持ちの先生も多いのではないでしょうか。
今回は、医療法人の運営における「義務」の中でも、特に重要で、かつ見落としがちな「決算届(事業報告)」について解説します。
【決算届・事業報告とは何か?】
医療法人は、公的な医療を担う組織であるため、その経営状態を毎年、管轄の都道府県(保健所等)へ報告する義務があります。これを「決算届」と呼びます。
この届出には、以下の書類が含まれます。
- 事業報告書
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 財産目録
- 監事の監査報告書など
【期限を逃すと待っているリスク】
決算届の提出には期限(通常、決算終了後3か月以内)が定められています。
もしこの期限を過ぎてしまったり、内容に不備があったりすると、以下のようなリスクが生じます。
- 行政指導の対象となる: 医療法に基づく指導や、場合によっては公表の対象となる可能性があります。
- 信用力の低下: 融資を受ける際や、将来的な事業承継の際、決算届の提出状況がチェックされることがあります。
- 経営計画の遅れ: 定期的な報告を怠ることは、法人のガバナンス(管理体制)が不十分であるとみなされかねません。
【臨床現場を知る視点:事務の「季節労働」をなくす】
私は15年間の臨床工学技士時代、決算の時期になるとスタッフが山のような書類を前に溜息をついている姿を何度も見てきました。
先生も、本来であればスタッフには「患者様への対応」や「診療の質を高めるための業務」に注力してほしいと思われているはずです。
決算届の作成は、専門的な知識と経験が求められる業務です。
「毎年必ず訪れる季節労働」だからこそ、私たち行政書士のような専門家がルーチンとして巻き取ることで、院内の事務負担を大幅に削減できます。
【次回予告】
次回は、いよいよ経営戦略の醍醐味である「医療広告ガイドライン」についてお話しします。
ホームページや看板の表現、SNS運用などで「やってはいけないこと」を分かりやすくチェックリスト形式でご紹介します。
決算の時期が近づき、準備に不安を感じている方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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